世界に羽ばたく英語学習法 スピーキング編
つらつらと続けて書いてきた英語学習法も今回で最後、その1(マインドセットと英単語)、その2(リスニング)に続いて、今回はスピーキング編です。
スピーキングは言わずもがな、日本人が最も不得意と言われている分野です。
僕も仕事や旅行で実感するのですが、他の国の人に比べて、圧倒的に日本人は英語のスピーキングが下手です。
(日本人より下手だと思ったのは、 今のところアジアではベトナム人くらいでしょうか)
前項でリスニングが最も大事だと言いましたが、やっぱりグローバルなビジネス環境ではSpeak upすることも非常に大事です。
「ミーティングで発言しないならば、いる価値がない」とまで言われる状況ですので、存在感を発揮していくためにも、スピーキングを鍛えていきましょう。
スピーキング上達に必要な3ステップ
日本人のスピーキング下手の理由は、まあ日本語独特の文法とか色々言われていますが、最も大きい理由は、英語で会話をする機会が圧倒的に少ないことに尽きます。
なので、スピーキングの上達を図るには、
英語で会話をする機会をとことん増やしましょうという
あまりに単純な回答に行きつきます。
ただ、「それが出来ないから苦労しているんじゃボケ」という声が聞こえてくるので、日本在住日本企業勤務英語を仕事で使わない人のために、もう少しちゃんと解説をさせてください。
具体的に言うと、スピーキングには次の3ステップが非常に大切です。
- 語彙(英語表現)を身に付ける
- それをスムーズにアウトプットできるようにする
- 会話を円滑にするリアクションを身につける
(発音に関しては、前回書いたシャドーイングをしっかりやっていれば、
一定のレベルまでは達すると思うので、ここでは省略します。)
と、いうわけで1つずつ解説していきたいと思います。
1. 語彙を身に付ける
その1でも強調した語彙の重要性ですが、ここでも改めて強調させてください。
当たり前ですが、自分の語彙にない単語は口をついて出てきません。なので、語彙が足りない人はまず集中的に学んで増やしていく必要があります。
ここで、英語で会話をする機会が日常的な人は、会話相手が言った表現をパクってどんどん身につけていくことも可能です。
が、多くの人はそんなに恵まれた環境にありません。
なので、まず語彙だけは別個に勉強して、徹底的に増やすことが大事です。
その際に、スピーキングのための語彙学習のポイントは、
- 日本語→英語で表現が出てくるようにする
- 発音を忘れずに学んでおく
- シンプルな語彙で十分
というところです。
以前にも書きましたが、英語→日本語の流れで勉強しがちな英単語学習ですが、
日本語→英語の逆の流れを意識しないと、スピーキングでは出てきません。
そういう観点から、前にも書いた、日本語→英語で勉強できる英単語ピーナッツはオススメです。
"Reconcile two opponents"というのを見て、「対立する2人を和解させる」という訳が出てくることと、「対立する2人を和解させる」というのを見て、"Reconcile two opponents"という英語が出てくることは、極端に言えば別の能力です。
それを意識して勉強できるので、非常にスピーキングに役立ちます。
また、Duoのような短文を何個も何個も丸暗記していくというのも非常にオススメです。
"I would like to talk about what I would envision as an ideal boss"という短文を覚えたならば、
"I would like to talk about three things today"とか
"What I would envision as my toughest experience is..."とか
ちょこちょことパーツを入れ替えていくことで英文を組み立てられます。
ちなみに、この時に当たり前ですが、必ずCDが付いているものを買うことを忘れずに。あとで発音を覚えるのは二度手間になるばかりか、耳と口も使って覚えたほうが、圧倒的に記憶に早く定着します。
また、スピーキングで必要な語彙力はリスニングやリーディングよりも多くはなく、そして、あまりに凝った表現をどんどん暗記していく必要はありません。
例えば、「驚いた」という表現は辞書を引くと、
aghast / amazed / astonished / frightened / jiggered / staggered / surprised...など無数の表現が出てきます。
見た時にこれらを理解できるレベルにはなるべきですが、
ことスピーキングに関しては、当分はsurprisedだけ使っていれば十分です。
他にも、"It goes without saying that..."とか、そんな凝った表現を覚えるよりは、
もっと実践的な短文をガンガン覚えていったほうがよいでしょう。
2. それをスムーズにアウトプットできるようにする
語彙さえ身につけたら、あとはそれをスムーズにアウトプットできるように、ガンガン機会を作っていくだけです。
では、どうやって機会を作っていけばいいのでしょうか。
- A. 独り言をしゃべる
- B. 日本人同士でしゃべる
- C. 海外の人と友達になってしゃべる
- D. 英会話に行く
上記4つのアウトプットの機会の作り方がありますが、
この時、多くの人はCやDが重要だと考えると思うのですが、AやBの機会こそが、ドメスティックサラリーマンには非常に重要になってきます。
英会話はお金がかかる、とか、海外の友人を探すのはなかなかに大変、とか、
そういう理由もあげられるのですが、最も大きな理由は、
英語が苦手な段階で流暢な人と話すと、聞き手に回る時間が圧倒的に多くなるから、です。
「そこを慮ってこその英会話学校でしょうが!」と思われる方もいるかと思いますが、超高級英会話学校であるベ◯リッツの英語講師ですら、ベラベラと喋りたいように喋っているだけの授業をする人はいっぱいいます。
(だってそっちの方が楽ですし、人間は人の話を聞くよりも自分の話をする方が好きな生き物ですからね)
僕も、気づいたらほとんど喋っていなかったレッスンというのを何度も経験しました。金返せ!
Cの友人を作る場合も、アウトプットがうまく出来ない間は、「Where do you come from?」「What do you do?」みたいな適当に質問を投げかけて、相手に喋らせてアハンアハン相槌を打っているだけの会話になりがちです。
CやDの機会を作ることが無駄とは言いません。
ただ、まだ喋るのが苦手な段階では、AやBによってアウトプットの機会を作り出して練習をするべきなのです。
Aに関しては、適当にその日あったこととか、明日頑張りたいこととか、なんでも構いません。
TOEFLのスピーキングみたいに、好きな季節とその理由とか勝手にスピーチの課題を課すのでもいいかと思います。
ところ構わず、喋れるときに練習することが重要です。
(僕は行き帰りの通勤の歩いているときとかにやっていたりします。丸っきり不審者ですが)
また、Bですが、同じように英語を勉強したい同じようなレベルの人たちを集めて、
英語だけで話す会をやるとか、あとは彼女や奥さんと英語で喋るとか、とにかく恥ずかしがらずたくさんやることが大切です。日本人の同じようなレベルの人とやると、表現こそは学べませんが、流暢さの練習になりますし、独り言よりは圧倒的に面白いです。
と、いうわけでA,Bを利用して、ガンガン練習してもらえればと思うのですが、その際にさらに学習効果を加速させる2つの魔法があります。
- 自分の喋りを録音して振り返る
- さらに、言いたくても出てこなかった表現をそこで調べる
この2つをやることで、成長の速度は圧倒的に変わってきます。
今どき、iPhoneで簡単に録音ができますので、オススメです。
3. 会話を円滑にするリアクションを身につける
純粋なスピーキングとは少し違うのですが、コミュニケーションとして非常に重要なので、3つ目の大事な要素としてここに上げさせていただきました。
日本人は総じてリアクションが下手くそです。
もうちょっと具体的に言うと、"I see (understand)"と”Really?”, "Oh", "Wow"ばかり連発します。
日本語に直すと次のようなJohnとTaroの会話になります。
John「昨日財布を落としちゃったんだよね」
Taro「ほんと?(Really?)」
John「3万円入ってたからすごいショックだったんだよね」
Taro「おー分かりました(Oh, I see)」
John 「今月2万円で過ごさなきゃなあ…」
Taro「うわぁ(Wow)」
こうやって見ると分かると思うんですが、Johnからしたら、「お前人の話聞いてるの?なんなの?」と感じること必至です。
(ちょっと極端な例ではありますが)
ちなみに、先ほどあげた、適当に質問を投げかける技がここに合わさると、この後に、
Taro「ところで、職業はなんだっけ?(By the way, what do you do?)」
みたいな質問を繰り出し、目も当てられない会話になること必至です。
日本語では皆さん自然にできていることだと思いますが、
- 理解を示すこと
- 共感を示すこと
がコミュニケーションにおいては非常に大事です。
"I lost my wallet yesterday" と相手が言ってきたならば、"Oh, you lost your wallet?"と繰り返してあげるだけで、理解しているよ、ということを示すことができます。
また、"Oh, that sounds terrible"と共感してあげるだけで、だいぶコミュニケーションは円滑になるわけです。
また、会話でうまく聞き取れないときなんて日常茶飯事ですが、そんなときも、単に"Pardon?"だけ言うよりは、聞き取れた部分は明示してあげて、"What did you lose yesterday?"と言ってあげた方が、会話はより円滑になります。
ここらへんは、独り言ではあまり身につけることができないところですが、個人学習で身につけるとしたら、下記のSmall Talk: More Jazz Chantsという教材がオススメです。他愛のない日常会話がジャズのリズムに乗って繰り返し流れてきますので、"That sounds great! I 'd love to"みたいな自然なリアクションが身につきます。
- 作者: Carolyn Graham
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr (Sd)
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ジャズチャンツは、英会話においてよく使われるフレーズを基に作られたリズリカルなミニソングです。
様々なチャンツを聞きながら英語のフレーズや発音、リズム、イントネーション等を自然と吸収して使えるようになる学習法です。
よくテレビのCM等でキャッチーな曲や、変わったフレーズの歌を使うCMがあると思いますが
ジャズチャンツも雰囲気的には、あのような近い感じですね。こういった印象に残りやすい曲や変わった歌は、一度聞くとずっと頭の中に残っていますよね。
ジャズチャンツもこのようなテクニックを使って、よく使われているフレーズやボキャブラリーを覚えさせる事を目的としています。英語のリズムやイントネーションを自然に身に付けたい方には、ジャズチャンツを使った勉強法は非常にお勧めです
あとはこのリアクション能力はやっぱり独学だけでは限界があるので、CやDの機会を通じて磨いていく能力だと思います。
その際に、外国人の友達を見つけることは人によっては難しいので、その場合は無理をせず、英会話に行ってしまえばいいかと思います。
最初からベルリッツのような高価格帯英会話学校に行く必要は全くなく、レアジョブのようなSkype英会話で全然問題無いと思いますし、Face to Faceがよければ、イングリッシュ・ビレッジのような格安のところで十分ですね。