僕の見たシンガポール

シンガポールから思ったことを日々更新していきます。

世界に羽ばたく英語学習法 リスニング(&リーディング)編

前回に引き続き、英語学習法のお話。今回は、リスニング編です。

 

日々仕事をしていて思うのが、リスニングが最も重要だということです。

どんなにうまく喋れても聞くことができなければ議論には入れません。

 

逆に多少喋りがたどたどしくても、議論の流れを捉えた上でまともな内容を喋れれば、十分に存在感を発揮できます。

 

また、多少文章が読めなかったり書けなかったとしても、時間をかければいいのです。しかし、リスニングは待ったなしです。聞くことができなければ、あっという間に議論に取り残されます。

 

"Seek first to understand, before you are understood" と7つの習慣でも言ってましたし、何はともあれ聞くことから全ては始まるはずです。なので、まずリスニングを学ぶべし、ということですね。

 

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リスニングは聞き流すな

 

で、よくある迷信なのですが、リスニングは聞き流しているだけでは絶対にうまくなりません。

 

もうちょっと正確に言うと、一言一句聞き取れて、聞き流しながらも意味がだいたい分かるくらいであれば、聞き流しは有効かもしれません。そのレベルならば、聞き流しながらも耳に入ってくる英語に自然と理解しようとするからです。

 

ただ、ホントに単語がぽつりぽつりと分かるレベルでCNNを毎朝流していても、正直なんの意味もありません。雑音の塊にしか聞こえず、聞き流していると文字通り流れていくからです。何も残りません。

 

そういうわけで、聞き流しは勉強としては楽ですから、スピードラーニング的なものに流れたくなる気持ちも分かるんですが、オススメはしません。個人的には、リスニングの練習で大事なのは、

  1. 眉間に皺が寄るくらい集中して、聞き取ろうと努力すること。
  2. そして、スクリプトを読みながら、何度も何度も再生をして、分からなかった箇所をつぶしていくこと。
  3. 最終的にはスクリプトなしで聞き取れるし、意味も入ってくるようにすること。
  4. さらにはガンガン音読をして、英語特有の音を自分のものにすること。

これに尽きると考えています。いろんな文章に触れていくことも大事ですが、スクリプトつきのレベルに合った教材を繰り返し繰り返しスルメのように集中して味わうことが大事だと思います。

 

英語の神様と呼ばれている國弘正雄先生扮する清水かつぞーさん(前回にもオススメした英単語ピーナッツの著者)がZ会のテキストに寄稿していた文章が、まさにこのことを言ってまして、そのまま引用させていただきます。(リーディングもこれでばっちり出来るようになります)

 

「君の英語号は空へ舞い上がれるか?」 清水かつぞー

 

わからない単語が1ページに10もあり、一つひとつ辞書を引く。そのあとで一生懸命にノートに日本語訳をでっちあげる。授業中に教師が言う訳を参考にして、自分の訳を訂正する。文法的な説明その他も全てノートする。家に帰って、少し復習して、それでおしまい。

 

もし君が英文解釈でこのような勉強法をしていたら、残念ながら長文を何題やろうががあまり実力はつかないだろう。残酷な話だが本当だ。

 

それはちょうど、飛行場の滑走路をグルグル回っているジェット機のようなものだ。地面を滑走し続けるだけで、空に舞い上がることは永遠にない。

 

あの大きなジェット機がわずか3000メートル足らずの滑走路でどうして見事に空に舞い上がれるか、君は考えたことがあるか?原理は簡単である。脇目もふらず、まっすぐにスピードを上げて、離陸直前には時速が300キロ以上に達するからだ。そう、ジェット機が空に飛び立つのは、それなりに必要なスピードというものがあるのだ。

 

英語の場合もまったく事情は同じである。勉強を続けていくうちに、だんだん加速度がついてきて、どこかで飛躍がなければすこしも面白くないではないか。君はそうは思わないか?君は加速度を生みだすものの秘密を知りたくないか?私は自分の経験から、はっきりとそれを知っている。これは本来ならば大極秘伝で、簡単に教えるのは惜しい気もするが、今日は気分が良いから、サービスしちゃおう。

 

それは「スラスラ感」なのである。

 

「この英文はスラスラわかるぞ!という感じなのである。そうなのだ。英文解釈の勉強とは、スラスラわかる英文を1つずつ作り上げていくことなのだ。

 

もちろん最初からスラスラわかるはずはない。このスラスラ感を味わうためには、単語の意味や構文の理解も必要だろう。やりたければ日本語に訳してもよい。しかし、それで一丁終わりとしたら、ラーメン屋に入って、待つことしばし、やっとラーメンが出てきたのに、匂いを嗅ぎ、おつゆを一杯飲み、お金を払って出てくるようなものだ。

 

ところが、悲しいことに、ほとんどのひとの英語の勉強はこのラーメンの「おつゆ一杯」だ。頭でなんとかうすぼんやりわかったくらいで一丁あがりと錯覚する。そこからさらに一歩突っ込んで「スラスラ感」の獲得まで進もうという人はまれだ。

 

「スラスラ感」を味わうためには、地道に音読を繰り返すという復習が欠かせない。ほとんどの生徒がそこから逃げようとする。いや、そのことに気づきもしない。教師もその必要性を教えない。繰り返すが、うわべの勉強を何題やっても君の英語号が空に飛び立つことはない。

 

ところが、たった3題の長文でも、君が日本語を読むときの「スラスラ感」の半分くらいを英語でも感じることができれば、飛躍の可能性が生まれてくる。最初から量を焦ってはいけない。「スラスラ感」さえ獲得すれば、量はあとから、あっという間についてくる。

 

大学入試の長文読解は、最高レベルの生徒でもせいぜい100題だ。本当に100題スラスラ読めるようになると、もう入試の英文は読みたくなくなるのだ。

よろしいか、最初の10題がスラスラ読めるようになるのに200時間掛かったからといって、その10倍の100題をスラスラ読めるようになるのに同じように2000時間掛かるということはないのだ。

 

最初の1題は本当に涙が出るほどつらい。しかい、そこは覚悟を決めてクタクタになるほど復習したまえ。具体的にはテープを何十回と聞き、手で書いて単語を覚え、音読を繰り返す。文の構造が不明のところは教師にどんどん質問する。スラスラ感を追及する者の進歩は等比級数的である。2題目、3題目とだんだん楽になる。10題やりとげた人ははっきりと、自分が正しい方向に進んでいるのを自覚できる。30題やりとげた人は、ひょっとしたら、残り70題は、1日2時間、1か月で終わってしまうかもしれない。Believe me.

 

少々辛くても、次の3ステップをお踏みなさい。

・あらゆる武器を動員して、きちんと英文の意味を理解する。
・理解したものをひたすら音読復習してスラスラ感を獲得する。
・スラスラ感を獲得した長文を一題一題増やしていく

 

この3つのステップをきちんと踏むと、ある時点で必ず飛躍があります。飛躍とは、全く初対面の英文(入試の本番の英文がそうです)でも、かなりのスピードで読めるようになることです。多読も可能になります。

 

リスニングの3つの壁

さて、先ほどリスニングの勉強にはレベルに合った教材を使う、と言いましたが、ではそれをどうやって選ぶのか、という話です。
リスニングには大きく3つの壁があります。

  1. 語彙力の壁:分からない単語が多くて、意味が理解できない。
  2. 速度の壁:早すぎて、聞き取れない。 
  3. 時間(長さ)の壁:長すぎて、集中が持たない。

世の中にはpodcastyoutubeにTEDにリスニング教材が無料から有料まで溢れてますが、リスニング教材選びの基準にはこの壁が大きく関わってきます。

 

リスニング練習でこの壁が2つ以上含まれている教材を選ぶと、必ず失敗します。

 

例えば、ありがちな失敗が、リスニング初心者がいきなりCNNに挑んだりするパターンです。「ニュースも学べるし、英語の勉強にもなる!一石二鳥!」という感じで。

 

気持ちは大変よく分かります。

僕も、「CNN毎朝聞いている自分」に半ば酔いながら始めました。

 

が、あっという間に挫折しました。

 

やはり、単語レベルが高い上に、固有名詞が多少登場するため、まず語彙力の壁が立ちはだかります。

そして、何より速度の壁です。機関銃のように喋るので、よほど耳がよくないと雑音の塊にしか聞こえません。

 

個人的には、前回も書いたとおり、語彙力は別個に鍛えるだけ鍛えてしまい、その上で2,3を交互にレベルに合わせて少しづつ乗り越えていく、というやり方をオススメします。

 

ちなみに、スクリプトを元に語彙を網羅することで、1の壁は乗り越えられますし、また、一度理解をしてしまえばその後2も3も多少自分のレベルより上であっても同じものを反復し続けることでなんとかなります。

スクリプトは3つの壁を乗り越えるための頼れる武器ですね。

 

ディクテーションとシャドーイング

先ほどの1~4の流れを抑えた勉強方法の一つに、ディクテーションとシャドーイングというのがあります。

これによって、その他のライティングもスピーキングもHelpになるので、そういう意味では、最強の英語の勉強方法、と言っても過言ではないかもしれません。

勝手に引用させていただきますと、

 

ディクテーション(Dictation)

英語を直訳すると「聴音書き取りすること」と訳します。

すなはち、ディクテーションとは、何かの音源を慎重に聞き取りそれを文字にして書き取ることです。

ディクテーションの初期段階では聞こえてくる音源がその国の文字(漢字やアルファベット)になるまで聞き取れないと書き取りは出来ないので、自分が認識できるまで何回も聞き直します。


シャドーイング(Shadowing)

英語を直訳すると「尾行すること」「つきまとうこと」と訳します。

すなはち、シャドーイングとは、何かの音源を慎重に聞き取りその音源につきまとうかのようにして後について同じ事を喋ることです。

シャドーイングでは、聞こえてくる音源と同じ音を出せるように繰り返し聞きながらその後をついて音をまねながら声を出します。

 

ということです。

この2つとも、極度の集中を強いられるし、辛いです。

特にディクテーションはとても辛いトレーニングだと思います。

でも、圧倒的な上達が感じられる、楽しいトレーニングでもあると思います。

 

シャドーイングのやり方を学ぶ上で、まあいろいろな本がありますが、僕が使ってよかったな、と思うのは下記の本です。

究極の英語学習法K/H System (入門編)

究極の英語学習法K/H System (入門編)

 

 

 参考まで。