僕の見たシンガポール

シンガポールから思ったことを日々更新していきます。

世界に羽ばたく英語学習法

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自分の試行錯誤の経験から学んだ英語学習方法をまとめてみようかと思います。

 

英語学習のトピックは散々話題になっていますが、僕も、かつては英語が全く喋れなかった「超ドメスティック人間」の代表のような人だったので、多くの人が感じているであろう真綿で首を絞められるようなじわじわとした危機感は非常に理解できます。

「英語、勉強しなきゃなー」と漠然と感じながら、何から手をつけていいか分からない。当時の僕もそうでした。大学受験以来、長らく英語に触れないで生きてきたわけです。僕の場合も、英語知識は相当に錆び付いて、埃をかぶっていました。これをピカピカにしたいところだけど、あまりに手をつけるべきところが多すぎて悩んでしまうわけです。

 

で、よくあるミスがとりあえず英会話に申し込むことです。ちょっとお金のある方はベルリッツへ、最近の流行りはレアジョブとかフィリピン留学でしょうか。

ただ、残念ながらこれは全く効率のいい方法ではないです。お金と時間が無限にある方ならいいんですが、そうでなければオススメしません。はっきり言います。

 

英会話はある程度の基礎が身について、かつ自学自習をする態勢が備わった状況でなければ行っても無駄です。

 

全く喋れない状況で行く英会話は、さながら幼児が言語を学習するプロセスに似ています。幼児は言語習得の天才、という迷信がありますが、僕はその全く逆だと思っています。幼児は毎日毎日英語のシャワーを浴びながら、3,4年かけてようやく喋れるようになります。週末2時間の英会話だけで同じ時間を費やそうと思ったら、100年以上かかります。

でも、大人は本気で頑張れば超ドメスティックの仕事をしながらでも1-2年あれば十分にビジネスで通用する英語を学ぶことができます。脳の構造的にはもしかしたら幼児の方が優れているのかもしれません。ただ、大人は母国語で培った思考力を元に、正しいアプローチで学習することで、幼児よりも圧倒的に早い速度で言語を習得することができます。100年間英語の勉強を続けたくなければ、まずは正しい学習方法を学ぶべきです。

 

自分のやってきた方法が必ずしも正しかったか、と考えるとそうではなかったかもしれません。ただ、少なくとも3年前には全く英語が話せず、無理して担当した外資系企業クライアントに1回の打ち合わせのあと担当変更を言い渡されるレベルだった僕が、今ではシンガポールで日本人がマイノリティの環境でそれなりにビジネスを回している状況まで来れたのは、大人ならではの武器、つまり母国語での思考力と試行錯誤による学習方法によるものが大きかったと思っています。

 

と、いうことで少しでも、こんな僕の経験が役に立てばと思い、今回は、そんな「英語を始めたい」と思った人にまず大事な基礎となる、マインドセット、そして文法と単語について簡単に書きたいと思います。


英語学習に向けたマインドセット

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何かを新しいことを学習する際に、まず一番大事なのがマインドセットです。次の3つが英語学習においては最重要だと思います。

  1. 絶対に英語を習得する、という強い意志と集中力
  2. 日々のささやかな上達を称えるポジティブシンキング
  3. 「正しいアプローチ」の重要性の認識

3の重要性については上で書いた通りです。同じ時間費やしてやるなら圧倒的に成果の出る方法でやるべきですよね。現代のサラリーマンは忙しいですし。

 

1に関しては、まあ当たり前とも言えます。やっぱり高いモチベーションが忙しい日々の中では原動力になってきますし、そうでないと続きません。ここでは、「なんで英語を学ぶのか」「英語を学ばなければいけないんだ」というところを腹に落とすことが何よりも大切かと思います。年収が増える、人生の選択肢が増す、パツキンのチャンネー(金髪の姉ちゃん)とエロいことをする、なんでもいいと思いますが、まずはその原動力を見つけることが大事です。

 

ここらへんの燃えたぎるようなモチベーションをイマイチ見つけられない場合は、是非「新TOEIC(R)テスト900点 新TOEFL(R)テスト100点への王道」というハーバードケネディスクールに留学をした杉村太郎さんの本をまず読んでほしいと思います。

 勉強方法やテスト対策に関しては適当に流し読みいただいて、何よりも杉村さんの熱い語りを楽しんでください。モチベーションが着火されること間違いなしです。ちょっとだけ紹介しますと、

絶対に目標スコアを獲得できると、自分を信じきること。これが一番大切なことです。本気モードに入らないとハイスコアはありえません。

途中どんなに不安になるか、よくわかりますが、それでも魂を込めて勉強を続けてください。

 

目の前の勉強が自分の人生にどんな意味があるのか、そこがぐらついていたら勉強に集中できないものでしょう。僕が文法用に遣っていたノートを開いてみると、何度も何度も自分のキャリアデザインの図の走り書きが登場します。特にリスニングなど、実力がついていくことを体感できず、毎日のように不安になるたびに、自分の勉強の目的をクリアにすることで目の前の勉強に集中するようにしていました。

 

時間はいつのまにかたつもので、今僕は憧れていたキャンパスで想像以上にすばらしい仲間たちとともに猛勉強の毎日です。スコアアップの勉強の時のテンション以上を要求されています。今でも不安だらけではありますが、あのときの勉強で培った自信は、ここで出会った仲間とともに、僕の財産であります。

どの世界に生きる方も、世界の中の日本の進むべき道を見極め、また描くことがこれから絶対に必要と考えます。

今、きみは、自分自身のためにも日本のためにも、絶対に欠かすことのできない貴重な勉強をしているのだということを忘れずに燃えてください。

 

最後に、本文中では恥ずかしくて書けなかったのですが、本当は目標スコアを獲得したとき、過呼吸で眠れなくて痩せてしまうほどうれしかったです。夜空に絶叫して涙も溢れました。でも、こんなことで喜んでたまるかと、こみ上げようとする喜びを抑え、次の課題に取り組んでいました。

燃え始めるのは結構大変。燃えてるときは不安で不安でたまらない。喜びは束の間、すぐに次の試練が待っている。でも燃えて生きるってすばらしい。つらいけど楽しい。それが英語の勉強でも仕事でも恋でも。

 

きみが今燃えたいものが英語なら、日本男児(女児)としての誇りを胸に燃えまくってください。


Believe it! Believe yourself!
2001年7月 ケンブリッジにて
杉村太郎

 

ちなみに、僕がこの本の中で、最も好きな一文は、「大切な時間を削ることはそれなりに犠牲もある。わかっている。しかし、やるのだ。きみがそれでもやろうと決めたなら、やる価値があると判断したことならば、何かを犠牲にしてでもやるのだ」という言葉です。最高ですね。

 

そして最後、2のポジティブシンキングに関してですが、忙しい中で高いモチベーションを保って勉強を続けるためには、日々の成長を楽しみながら毎日続けることがやはり重要になってきます。

英語学習の1番面白いところは、自分の上達が日々、手に取るように分かるところです。これは、数年間、十数年間やっている仕事では(多分)経験できないことだと思いますし、非常に新鮮に感じると思います。今まで聞けなかった文章が聞き取れる、前より流暢に喋れる、昔学んだ単語を覚えている、そんな些細なことで成長を実感できます。「こんなに勉強してるのにまだ全然しゃべれない」という思考に陥ることは必ずありますが、そんなときでもそういった些細な成長を褒めてあげて、諦めかけた自分を奮い立たせるポジティブ思考を忘れないことが重要です。


文法と英単語について

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文法と英単語はどちらも英語の基礎として位置づけられることが多いですが、学習に関しては方針が大きく異なります。それは、以下のような違いです。

  • 文法:(ある程度の基礎力があれば)勉強しなくていい
  • 英単語:まず始めに相当レベルまで勉強するべき

さすがに、"It is~to~"の仮主語とか"Which"といった関係代名詞とかを分からない場合は少し学ぶ必要はありますが、大まかな中学英語レベルがあれば大丈夫です。

"which"と"that"の使い方の違いがよう分からない、 とかの些細なことが気になったとしても、わざわざ文法だけを勉強しなくていいです。どうしても分からないものにぶつかったときに、気になって調べるやり方で全然問題ありません。

 

ただ、単語は相当なレベルまで鍛える必要があります。マインドセットが準備出来たら、まずは単語をやるべきです。

 

リスニングの特訓を重ね、聞き分けの力をいくら高めても、未知の語彙は永遠に理解できるようにはなりません。文脈から意味を推測しようにも、十分な語彙力がなければ文脈ですら把握できずに終わってしまいます。語彙力が足りないまま、無理して難解な英文を読んだり聞いたりしてもやる気を失い、学習意欲は低下してしまいます。

サッカーで例えるなら、文法はサッカーのルールであり、単語は体力です。ルールは、とりあえずボールを手で触ってはいけないことや、点数の入り方を学んだら、あとはプレイしながら覚えていけばいいのです。バックパスの反則は実際に直面してから覚えればいいのです。ただ、その反面、体力が全くないと、プレイすることもできません。最初は、まずは走り込みで体力をつけることで、その後の練習が面白いようにスムーズに進みます。

 

さて、そんな筋トレや走りこみにあたる英単語学習ですが、巷には色々な本が玉石混交であると思います。オススメは、米Googleの副社長だった村上さんが自著の中で推薦していたことでちょっとだけ話題にもなった、「英単語ピーナツほどおいしいものはない」です。コロケーション(連語)で覚えられることと、幅広いレベルが網羅されていること、そして英→日だけでなく日→英のための暗記も目的とした工夫がこらされていることが主な推薦理由です。

 

英単語ピーナツほどおいしいものはない 銅メダルコース

英単語ピーナツほどおいしいものはない 銅メダルコース

 

 

英単語ピーナツほどおいしいものはない 銀メダルコース

英単語ピーナツほどおいしいものはない 銀メダルコース

 

 

英単語ピーナツほどおいしいものはない 金メダルコース

英単語ピーナツほどおいしいものはない 金メダルコース

 

 

最後の点は英単語を覚える上で結構重要でして、"bestow a silver medal"で「銀メダルを授与する」と訳せることはもちろん重要ですが、「銀メダルを授与する」という言葉の英訳を考えた時に、"bestow a silver medal"がスムーズに出てくることもスピーキングやライティングに向けて非常に大切です。巷の単語帳はここらへんの工夫が抜けてることが往々にしてあって、典型的な「読めるけど話せない日本人」の量産に寄与しているわけですね。

基礎体力として、英単語ピーナツの金メダルが半分以上分かるレベルまで行くと、その後の学習が圧倒的にスムーズになると思います。

 

最後に、英単語を学ぶときは、絶対にCDで音を聞いて余裕があれば発音を必ず学ぶようにしてください。今後のリスニング、スピーキングが圧倒的に楽になります。