僕の見たシンガポール

シンガポールから思ったことを日々更新していきます。

先人に感謝をしつつ、我々は結果を出さねばならない

マーケティングとは、製品の戦いではなく、パーセプションの戦いである

これは、マーケティングの大家、アル・ライズによる言葉なんですが、つまりどういうことかと言うと、売れるかどうかは「実際にどれだけその製品の品質がいいか」ではなく「その製品がどのように知覚、認識されるかで決まる」ということです。

売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則

売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則

 

この「製品がどのように知覚、認識されるか」というところに、大きな影響を持つのが、ブランドイメージです。例えば、Appleが出す商品だから革新的に違いない、とか。マクドナルドの商品だからあんまり美味しくなさそうだ、とか。

Twitter「しまむらロゴを付けるとなんでもダサくなる」画像まとめ - NAVER まとめというのもありましたが、同じ原理ですね。

要するに、よいことも悪いことも含めて、今まで築き上げて来たブランドイメージに皆の認識は左右されるわけです。

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日本人というブランドイメージ

ここら辺の話は、個人においても例外ではありません。

かの有名なイチローも「結局、言葉とは『何を言うか』ではなく『誰が言うか』に尽きる」という言葉を残していましたが、その人のイメージというものが発言内容や行動の評価に大いに左右するわけです。

 

ちなみに、その人のイメージというものは、日々の行動や発言だけでなく、その人のバックグラウンドや肩書きも大きく影響します。

東大卒というだけで、賢いけれど堅そうな感じがしますよね?ちなみに、世の中には、「俺は東大卒って大っ嫌いなんだよね」というおじさん方は常に一定割合存在してまして、そういう人と相対すると、もうすでに好感度マイナスの状態からのスタートなので、なかなかに苦労を強いられるわけです。

 

さて、グローバル環境下で、色んな国の人と働いていると、国籍がどこであるか、というのはそのイメージを作り上げる大きな要素になってきます。

そうしたときに、日本人というだけで好感度のスタートラインが違うように感じます。日本人は真面目で礼儀正しい、日本の文化が好き、寿司が好き。そういったことから、多くの国の人から、非常に好意的に受け入れられやすいと思います。

実際に電通の行った調査でも、日本人のイメージというのは非常にポジティブなものでした。

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つまり、「日本人である」というのは、グローバル環境下で働く上、もしくは生活していく上で、圧倒的にアドバンテージなわけです。

 

日本人のブランドイメージはどこから来て、どこへ行くのか

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そして、この「よい日本人のブランドイメージ」は、間違いなく、これまでの日本人が脈々と築き上げてきたもののおかげです。

文脈は違えど、サッカーの本田圭佑も同じようなことを述べています。

海外に出たら、日本は本当にいい国だとあらためて思う。モノのクオリティー、サービス業、すべてにおいてディテールにこだわっている。ここが何につけてもアバウトな外国とは違う。これはオレの価値観が日本人寄りだから、という理由ではないと思う。外国人だって日本のサービスを受けたら絶対にいい思いをするはず。その点で、日本は世界トップだと認識している。外国に出てから、日本の良さを感じるようになった。

 

それと同時に思うのは「これを築いたのは誰なんだ?」ということ。

 

オレたちではない。こんな裕福な今日(こんにち)の日本があるのは、先代の人たちの頑張りのおかげだと思っている。オレたちは、彼らが頑張って汗水たらして残していってくれたもののおかげで生活できていると思う。

 

今後、日本のGDPは否が応でも落ち込んでいき、世界でのプレゼンスを着実に失っていきます

資源もない島国なのにアメリカに肩を並べる経済大国であったという事実から、多くの人は「日本人はすごい」というブランドイメージを抱いていますが、将来的に、アジアの先進国の一つというポジションにまで身を落とす時代に、それらのブランドイメージを無条件で維持し続けられるほど、甘くはないでしょう。

 

そうしたときに、今後の日本人のブランドイメージは、今、海外に飛び出してきて多国籍の人たちと共に働いている日本人の人々の肩に掛かっていると思うわけです。

ここで、昇り龍の勢いを持つインド人や中国人、はたまた韓国人に、次々とビジネスの一線で後塵を拝してしまったならば、将来的に「日本人って使えないよね」というブランドイメージに繋がりかねません。さらにそのブランドイメージが後進の日本人の足を引っ張るという悪循環につながっていきます。

 

そんなわけで、自分自身の行動や成果の蓄積が日本の将来を決定づけるという緊張感と使命感のもと、必ず結果を出すべく日々精進していこうと思うタケナカなのでした。