僕の見たシンガポール

シンガポールから思ったことを日々更新していきます。

フィリピンのおやつ習慣と、シンガポールの独立記念日と、日本人の愛国心と。

仕事柄、フィリピンによく行くのですが、彼らの面白いユニークな習慣の一つに、「ミリエンダ」というものがあります。

 

これは、朝昼晩の3食に加えて、10時と15時に取るおやつの習慣のことで、企業によっては15時には15分くらいの休憩(ミリエンダタイム)を取っているところもあります。

実際のところ、おやつというほど可愛いものではなく、4食目、5食目だよね、というボリュームで食べる人も珍しくありません。

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で、まあこのミリエンダですが、スペインの植民地政策の影響で作られた習慣だという説があります。

 

お腹がいっぱいだったなら、反乱する気も起きないよね、ということで、導入された習慣だそうで。

 

現にフィリピン人は(ちょっと太り気味で)温厚で呑気な人が多いような気がしますが、このミリエンダの習慣は彼らの気質にもピッタリとあっていたのでしょう。未だに根強く続く習慣となったのだと思われます。

 

そういう歴史背景を持って見てみると、なかなかにこの「ミリエンダ」は物悲しい習慣だなあと思うわけです。

 

シンガポール独立記念日のお祭り

さて、お話は変わり、昨日は、シンガポール独立記念日でした。

 

シンガポールでは、独立記念日愛国心爆発のイベントデーです。

子供は国旗を振り回して走っているし、老若男女問わず紅白のシンガポール国旗カラーの装いをしますし、時にはほっぺたに国旗のペインティングをしている人もいますし、極めつけは夜にマリーナ・ベイ・サンズの前で盛大なパレードが行われます。

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その内容は、シンガポールを代表する企業(Singtelなど)の行進に始まり、戦車や銃火器を生々しく披露しての陸海空の軍隊のお披露目、さらには警察、救急や消防隊もデモンストレーションをしつつ、現地のおそらく人気歌手やラッパーによるシンガポール賛歌の大合唱、時折挟まれるビデオでは、「シンガポールがいかに私にチャンスをくれたか」みたいなことをマレー人が語っていたりするわけです。

 

つまり、一言で言うと、こういったイベントは、シンガポールは最高だろ!シンガポール国民バンザイ!」という政府からの強烈なメッセージなわけですが、国民もお祭りとして楽しんでそれを素直に受け止めており、個人的には「ああ、こういうところもうまいことやってるなあ、シンガポール」と感じたわけです。

 

そもそも、多民族国家であり、今後も移民をバシバシと受け入れていかなければならないシンガポールにとって、こういう風なイベントを通じて、愛国心を高めて国を一つにまとめるというのはとても大事なことであるわけで。

 

アメリカに僕は住んだことはないのですが、独立記念日はどこもお祭り騒ぎになる、というお話を聞いていると、「アメリカ最高だぜ!みんなアメリカ国民でよかったよなHAHAHA!」という同様な趣旨のイベントなんだろうな、というのは想像に難くありません。

 

所変わって日本では。。。

で、一方日本は、というと建国記念日という祝日は設けられていますが、まっっっったくと言っていいほど、国民のみんなが意識して過ごすことはありません。

「日本ほど単一民族に近い国家は珍しいこともあり、そういう愛国関連のイベントはなくともみんな日本のことが好きなんだよ」というのはまあ正しい意見だとは思いますが、それを除いたとしても、日本人の愛国とか国旗とかそういうものへの抑圧は半ば異常なものがあるなあと感じるわけです。

建国記念日で、日本バンザイ!を叫ぶイベントが東京ドームや武道館とかで行われて、みんなで国旗片手に君が代を大合唱、なんてことがあったらどうでしょう。朝日新聞あたりが真っ先に非難してきそうですね。「戦争に向かう若者たち」みたいな見出しで。

 

ここらへんの話は、「ここがヘンだよ日本人」という勢いで、周りの国々の人によく聞かれる話なんですが、「アメリカの植民地政策と日本人の自虐的な気質がマッチして、未だに残っている悪習だよ」と答えることにしています。

戦争の再発防止のために、日本を礼賛する人々を排除したかったGHQと、身内の恥にはとことん厳しくしたがる謝罪体質の日本人気質がぴったり合ってしまったがための悲劇と言えるでしょう。

 

冒頭のフィリピンの「ミリエンダ」も物悲しい習慣でしたが、日本人のこれも植民地政策の名残りだとしたならば、本当に不思議で奇っ怪な習慣だと思うわけです。

そんなわけで、「日本ももっと自国のことを大っぴらに誇れる日が来ればいいのになあ」と小学生のような感想を抱いたシンガポール独立記念日でした。